年金は減る、資産運用の必要性に気付いた、金融投資を始めたい。そう思っても「夫婦で意見が合わない」「旦那さんに反対された」という場合があるかもしれません。
なぜなら、私達の世代は投資が怖いもの、危険なものと思っている人が多くいるからです。
金融投資を始めたいと思ったのに、旦那さんが投資に賛成してくれない時はどうしたらいいでしょうか?
こちらが一方的に投資のメリットを伝えても、余計に拒否されるかもしれません。
先ずは、なぜ旦那さんが投資に反対するのか?を理解することが必要です。その上で投資の必要性を何度も伝えていくことが大切です。
もちろん、直ぐには理解してもらえない可能性もあります。
けれど伝え続けることで旦那さん自身がアンテナを張り、自ら投資の情報収集をするようになるかもしれません。そうなったら、理解してくれる日もそう遠くはないでしょう。
なぜ反対するのか?投資に反対する3つの理由
私たち世代が投資に反対する理由は何なのでしょうか?
投資に反対する背景には、投資は怖いもの、危険なものと思い込んでしまっていることが理由に挙げられます。
そもそもなぜ、そこまで投資は怖いもの、危険なものと思いこんでしまったのでしょうか?
それには以下のような理由が考えられます。
1.銀行に預けていればお金が増えた親世代に、投資は悪いもの銀行が安心と教えられて育った。
私たちが子供の頃、銀行の金利は6%前後でした。銀行に預けるだけでお金は増えていきました。
私たちの親の世代は、欲張らなければコツコツ貯金するだけで十分だったのです。
だからこそ親ごころで、リスクのある投資ではなく、欲張らず勤勉にコツコツと貯めて欲しいと教育してきたのでしょう。
2.バブル時代の金融投資のトラウマがある
バブルの頃に投資信託などを買った人は、マイナスのまま売却しているけーすがあります。
この時の苦い経験から、投資は思うように増えないものと刷り込まれている人が少なくありません。
3.そもそも投資や金融に興味がない
お金の管理を、奥さんに任せている旦那さんもいます。
すべてお任せならまだいいのですが、奥さんに任せてはいるものの、分からないものには難色を示す。だからといって、商品知識を得ようとしない。
投資や金融商品に興味がないので考えようとしない…これでは困ってしまいますね。
以上3つの理由から、今でも金融投資に踏み込めない人がいます。
考えはそう簡単に変えられませんので、投資はしない方がいいと思うのも無理はない気がします。
無理に投資の話しをして理解を得ようとするのではなく、先ずはご自身ができる小さな範囲から始めるのも一つの方法だと思います。
金融投資を理解してもらう方法
投資に懐疑的な旦那さんの心を開くためには、どんなことを伝えていくといいのでしょうか?
①昔と今は時代が違うこと
②金融投資のリスク対策
③金融投資のメリット
などを何度も伝えていくしかありません。
①昔と今は時代が違い、銀行に預けておくだけでお金が増える時代ではない
1990年バブルの頃。定期預金の金利は6%位ありました。
100万円預けると1年後には6万円位の利息が付き、12年後くらいには、そのお金が倍の200万になったんですよね。
資産運用など考える必要が無く、銀行に預けているだけで、ほぼノーリスクでお金を増やすことができる時代。
その頃、割引金融債(ワリコーなど)といって、利息を先取りする商品もありとても人気でした。
利息先取りとは、満期時(債権の場合は償還と言います)に1万円になる金融債を9000円で買って、償還日には1万円で戻ってくる債券です。利息の1000円は購入時に割引という形で還元されました。
このように魅力的な商品はバブルの崩壊とともに姿を消します。
定期預金の金利は2000年ころには0.2%にまで下がっていき、低金利の時代は現在まで続いています。銀行に預けて、ほぼノーリスクでお金が増やせる時代はとっくの昔に終わってしまったのです。
②金融投資のリスク対策
金融投資は長期、積立、分散することでリスクが軽減します。
・長期とは長く運用すること
・積み立ては継続して少しずつ購入すること
・同じ商品ばかり買わないこと
また今は、積み立て投資信託をクレジットカード決済にすることができ、カード利用で付与されたポイントでも投資信託を買うことができます。
ポイントが金融投資に利用できるのは、ポイントがお金に変わることでもあるので、今どきのリスク対策とも言えます。
③金融投資のメリット
それでは、金融投資のメリットにはどんなものがあるでしょうか?
1.積み立て、カード決済やポイント投資などの仕組みが整っている
少額から始められる積み立て、カード決済やポイント投資は、始めやすい投資の一つだと思います。
積み立てで金融商品を買うので時間の分散ができ、リスクの軽減にもなります。
「少額から始められる」「積み立てにすることで時間の分散ができる」メリットは旦那さんにも理解してもらいやすいのではないでしょうか?
また、クレジットカード決済で積み立てすることでポイントが貯まり、さらにそのポイントで金融投資ができることをご存じないかもしれません。
ポイントがあるからと余計なものを買ってしまうより、ポイント投資の方がいいよね!と、言いやすい気がします。
2.非課税口座のNISAやiDeCoがある
税金も社会保険料も上がるばかり。そんな中、金融投資にはNISAやiDeCoのような非課税の口座があります。少しでも税金対策になるのであれば賢く利用したいところ。
投資と言うと怪訝な顔をする旦那さんでも、税金対策と言えば耳を傾けてくれるかもしれません。
NISAは投資信託などを購入できる非課税口座です。期間や金額に制限がありますが、売却して利益が出ても税金を納めなくていい口座です。
iDeCoは60歳まで引き出せないなどの制限がありますが、掛け金が全額所得控除、運用益が非課税、受け取るときに退職所得控除が適用されるなどの税制メリットがあります。
金融投資が実は税金対策になると、知らない人が多いように感じます。
3.特別な知識は不要!ほったらかし投資で利回り5%前後期待できる
投資信託の種類であるインデックスファンドは、最初買付けさえしてしまえば何もすることはありません。利回りが期待できるうえ、比較的リスクも低い投資です。
先ずはリスクの低い投資で「決まった金額の範囲で投資する」「積み立てにする」などを提案するのがいいでしょう。少額で初めて、しばらくしてから実績を見てもらえるとなおいいですね。
違う角度から投資やお金に興味を持ってもらう方法
投資に興味がない人は、先ずは経済の面白い知識など興味を持ってもらうことから始める必要があります。
投資やお金に関する考え方を変えてくれそうな法則や言葉についてご紹介しますので、夫婦の会話で何気なく使ってみてくださいね。
・72の法則
利回り5%といっても、多くの方はどのくらいいいのかピンと来ないですよね。例えば100万で利回り5%なら何年後に2倍になると思いますか?
72の法則という計算方法で計算することが可能です。
72÷運用利回り=運用年数で、預けたお金が何年で倍になるか分かります。
100万円で利回り5%の場合、14年と少しで預けたお金が倍の200万になります。14年で倍!意外とあっという間ですね。
・銀行預金や現金にはインフレリスクがある
インフレリスクとは、物価の上昇(インフレ)により金融商品の実質的な価値が低減するリスクのことを言います。
長くデフレ(継続的に物の価値が下がる)が続く日本ですが、ディズニーリゾートのチケットは値上がりを続けています。
30年前は1万円あれば2人分チケットが買えたのに、今は1人分しか買えません。30年間、一万円を預金や現金で持ったままだと、お金の価値が下がると考えられます。
見た目の数字は減っていなくても、価値は下がっているのです。
お金の話しも見方を変えると興味深いと思います。もしかしたら妻は自分より詳しいかも⁉と慌てて勉強してくれるかもしれません。
旦那さんが興味なければブレーキ役に
夫婦で投資の楽しさを共有できるのは悪くありません。けれど私は、夫に興味を持ってもらうことにそこまでエネルギーを注がなくてもいいと思っています。
夫婦で投資に関して温度差があることもメリットになるからです。
なぜなら、投資を投機的なものにエスカレートしないよう、ブレーキをかけてくれる存在(旦那さん)はとてもありがたいのです。
夫婦で投資に突っ走って大けがするよりは、夫の顔色を窺いつつ?投資をするくらいが安全運転でいいと思っています。
まとめ
旦那さんが投資に賛成してくれないのであれば「金融投資のリスク対策」を話したうえで、「時代が変わっている事実」や「投資のメリット」を、分かりやすく伝えていきましょう。
ただ無理やり伝えれば煙たがれることも…そんな場合は興味を持ってもらえそうな、金利や経済、節税の話しをしてみるのも効果的です。
実際に少額でインデックスファンドの積み立て投資を始めて、実績を見てもらうのもいいですね。
直ぐには理解してもらえないかもしれませんが、伝えることで旦那さん自身がアンテナを張り、自ら投資の情報収集をするようになってくれるかもしれません。
慎重な旦那さんの方が、いいブレーキ役としてむしろ安心と思いながら、少しずつ投資を理解していってもらってくださいね!